菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~

だから車が“お楽しみ会”の会場――つまり公民館に到着して、二人で車から降りたとき、それまでの車内での極度の緊張状態からようやく解放されたあたしはホッと胸をなで下ろすような安堵感を感じた。



早速、公民館にカップケーキを搬入したあたしと王子は、待ちかねたようなちびっ子軍団のモーレツな歓迎を受けた。


「やーい、メイド、メイド」

「“ご主人さま”って言ってみろよ」


特にあたしはちびっ子軍団に360度=全周囲を取り囲まれて、もみくちゃにされたあげく、おっぱいをわしづかみにされるは、スカートをめくられるはで悲惨な目に遭った。

…ってか、子どもは加減っていうのを知らないから、おっぱいをつかまれたとき、はっきりいってめちゃめちゃ痛かった。

おまけにスカートをめくられたとき、王子にパンツを見られちゃうし――――


相手が、ちびっ子じゃなかったら全員まとめて“半殺し”にしてやるところだよぅ!!



もちろん会場を出るまでは…、

「ぼくぅ。そんなことしたらダメだよぉ」