菓恋（かれん） ～ｂｅ＋ひと目惚れｉｎｇ～

「尊敬なんて大袈裟だな」

「だって、あたしなんか毎日高校に行ってるのに、いまだに自分のやりたいことが見つかってないし…」

「別に焦らなくても、自分のペースでゆっくり探してみればいいんじゃね？」

「そーかな？」

「もし“高校”で見つからなかったら“大学”で探すっていう手もあるし、別に“社会人”になってからでも転職とかしながら探すことだって不可能なことじゃねぇと思う」

「ふぅん…そーいうもんかな……」

「一番悪りぃのは、途中で諦めちまうことだと思う」

「途中で諦めること…？」

「諦めなければ、誰にでもいつかチャンスは必ずやってるって思うんだ」

「諦めなければ、いつかチャンスはやってくる…か……」

あたしはまるで自分自身に言い聞かせるようにして言った。


「…つーか、将来のことより、とりあえず今は目の前の配達を片付けちまおうぜ」

「うん、そーだね♪」