あたしはしばしことばを忘れて、ちょっとうっとりするような感じで、王子の仕事に見入ってしまっていた。
「ぐぅ~…」
そのとき不意にあたしのおなかが鳴った。
だって王子が作るお菓子があんまり美味しそうだったし…。
そりゃあ、あたしのおなかだってガマンできずに鳴っちゃうってもんよ♪
「しょーがねぇなー。1コだけだぞ」
突然、王子ができたての生チョコをあたしのほうに差し出してくれた。
「えっ、食べていいの?」
「目の前で、そんなにもの欲しそうな顔されたんじゃ、あげねぇわけにもいかねぇだろ」
「ラッキー♪ いただきまァ~す♪」
パクッ。
「…!」


