後ろで山野辺さんが呼んでるのが聞こえたけど、あたしの耳には届かない。
山野辺さんのことは千夏たちが壁になって阻止してくれてる。
だから余計なことは気にしないで、前だけ向いて走っていこう。
「おいおい、いったいどこまで走ってくつもりだ?」
あたしに手を引っ張られながら王子がちょっと困ったような顔をして訊いた。
「“どこまで走るか”って? そんなの、決まってんじゃん」
「えっ…」
「“どこまでも”だよ♪」
「どこまでも?」
「どこまでも一緒に走って行くんだよ」
「…つーか、お前、強引だな」
「そうよ、あたしに黙ってついてきなさい♪」


