「それはできません。そんなことをしたら、わたくしが社長に怒られます。さぁ、早くリムジンにお乗りください」
「なるべく早く家には帰るようにしますから、パパにはうまく伝えといてください」
「お嬢さま、そのようなムリはおっしゃらずに、どうかわたくしの言うことを聞いてください」
「山野辺さん、お願いっ。あたしの一生のお願いだから、このままあたしを見逃してっ」
両手を合わせて、神さま、仏さまにお願いするような気持ちで、あたしは頼んだ。
だけど……、
「いけません、お嬢さま」
カタブツでボクネンジンの山野辺さんには、あたしの“一生のお願い攻撃”もまったく通用しなかった。
「引っ込めよ、おっさん」
「お邪魔虫」
「人の恋路の邪魔するな」
あたしと王子の様子を見守っていたギャラリーの中からブーイング発言が聞こえてきた。
「なるべく早く家には帰るようにしますから、パパにはうまく伝えといてください」
「お嬢さま、そのようなムリはおっしゃらずに、どうかわたくしの言うことを聞いてください」
「山野辺さん、お願いっ。あたしの一生のお願いだから、このままあたしを見逃してっ」
両手を合わせて、神さま、仏さまにお願いするような気持ちで、あたしは頼んだ。
だけど……、
「いけません、お嬢さま」
カタブツでボクネンジンの山野辺さんには、あたしの“一生のお願い攻撃”もまったく通用しなかった。
「引っ込めよ、おっさん」
「お邪魔虫」
「人の恋路の邪魔するな」
あたしと王子の様子を見守っていたギャラリーの中からブーイング発言が聞こえてきた。


