結局、今朝メールをしたあとも、放課後までずっと王子からの返信はなかったし、王子がどこにいるのかなんて全然分かんない。
でも、とにかく『王様のショコラ』に行けば、もしかしてあたしのメールを読んでくれた王子が帰ってきてくれてるかもしれないし……。
かすかな希望を胸に、放課後、校舎を出たあたしは校門のあたりに生徒たちの黒山の人だかりができてるのに気がついた。
「…!」
いったいなんの騒ぎ?
そこになにがある、っていうの?
「しょおこぉーっ!」
「え…」
一足先に帰ったはずの千夏が、校門の前からあたしを呼んでる。隣りには朋子もいる。
「なに? どうしたの?」
ワケも分からないまま、千夏たちに駆け寄っていくあたし。
「翔子のカレシって超イケメンじゃん♪」
「あんなカレシがいたんじゃ、あたしらとの付き合いが悪くなるのも当然かぁ♪」


