ブロってますか?

村下も胸のつかえが取れたのか、ほっとした表情で箸を進める。


「所長、営業所盛り上げて行きましょうね!」


「よし、もう一花咲かせてみるか!」


「その意気ですよ。仕事と恋愛両立させて下さい。」


「おぃおぃ、その話しは内緒で頼むよ。」


大袈裟に両手を合わせる村下に健一は苦笑する。


今まで嫌いだった村下の、人間臭い部分にふれ少し村下との距離が縮まった気がした健一だった。


何となく、そう何となくではあるが良い気分で午後からの仕事に入る健一。
事務所の入口で理恵とぶつかりそうになる。
思わず赤面する理恵を見て、あぁ確かに理恵チャンはこの岡村に好意を持ってると確信する健一だった。
またそれが、なんとも言えない良い気分である。
ますます仕事に没頭する健一だった。


その頃、健一の家では美沙子が健一の留守をいい事に、24時間と言って良いぐらいにブログに熱中していた。まるで家事と言う言葉は忘れたように…
いつしかその瞳に張り付いた狂気の光…その光は消える事なく、ますます輝きを増していくのだった。行き着く先には…破滅の二文字が待ち受ける。