帰宅後、美沙子に来週の出張を告げる健一。その瞬間美沙子の目が輝いたのを、健一は知らない。


食卓に座ると1人分の食事が用意されてるだけである。


『お前は食べないのか?』


『食欲無いの…先に寝るね。おやすみ。』


この頃は、もう普通に夫婦別室で寝起きしている。お互いが自己都合上その方が良いので、その件に関しては何も言わない。


健一は1人の食卓でビールを傾けながら、自問自答する。


『おぃ、健一お前はいったい何をどうしたいんだ?』


『わからない。何をどうしたいかなんて、でも今は楽しいし幸せな気分なんだよ。』


『健一よ、結婚当初の気持ちは何処に行ったんだ?幸せにする。守るって気持ちは…』


『生活して初めてわかる事もあるんだよ。こんなはずではなかったって事や、価値観の違いないて、付き合ってる頃はお互い良い面しか見せないから、分からないじゃないか!』


『それを乗り越えてこそ夫婦だろ?』


『所詮、他人同士だから、乗り越えるも越えないも、それはお互いが決める事だ!よし、決めた!』

もう1人の健一は、何かを心に決める。