ブロってますか?

それからの一週間。健一は美沙子に付きっきりになる。
少しでも記憶が戻るように、近所巡りをしたり、美沙子の好きだったトールペイントの話しをした。また恵美が毎日の様に来てくれたのも、美沙子には良かった様に思える。
日常生活して行く上では支障は無いように思える。もちろん記憶はまだ戻らないが…そして携帯を見ると異常に怯えるのも治らない。


そうして、一週間が過ぎ、取りあえず事情を説明する為に会社に出勤する健一。

「部長、御迷惑お掛けし、申し訳ありません。」


「で、どうなんだ?奥さん治りそうか?」


「今は何とも…」


「そうか。君に転勤の話しがあるんだけどな。」


「何処です?」


「君が立ち上げた営業所の副所長で行ってもらいたいんだがね。出世コースに乗ったって考えて貰ってかまわないよ。」

健一は部長の言葉に驚愕した。


『えっ!毎日理恵と仕事出来るって事かぁ~副所長?確か本社では課長待遇のはず。確かに昇進だ。引越かぁ~あっ、美沙子!』


いろんな思いが交錯する健一。


「辞令は一週間後に出る予定だ。しっかりな!」


「あ、ありがとうございます。」


『さて、どうする?俺…』