ブロってますか?

「も、もしもし。理恵ちゃん?」


「あっ~良かった。健ちゃん!今大丈夫?奥様は?」


「大丈夫だよ。今ちょっと出掛けてるから。」


「そっかぁ、良かった。突然電話してごめんね。メールしても返事来ないから心配になっちゃった。何かあったかと思って。迷惑だった?」

「そんな事ないよ。こっちこそ、メールの返事出来なくてごめんね。ちょっと立て込んでて…」


「ううん、電話出来て良かった。もう私の事忘れたのかと思った。」


電話の理恵の声は、何時しか涙声になっている。


「馬鹿だなぁ、忘れるもんか。忘れる訳ないじゃん。いつも思っているよ。」


健一は自らに言い聞かすように答えた。

「健ちゃん…大好き!」


「と、突然に…びっくりするじゃないか?」


「好きだから…健ちゃんも言って!」


「大好きだよ。りえ」


「ありがとう!安心した。それだけです。おやすみ。」


「またね。おやすみ。」


電話を切った健一は頭を抱え込んだ。

『本当の事は言えない。どうしたら良いんだ!俺は、俺は…このままでは…』


健一もおかしくなりそうである。美沙子の気持ちがわかる。ただ、対象が人かそうでないかの違いだけ