その時…


突然健一の携帯が鳴り響く。
表示を見る健一。
理恵である。
息を飲む健一。


恐る恐る振り返ると、携帯を耳に当て、寝室のドアを開けこちらを見る理恵の姿が…その目は妖しく光っていた。またその姿は妖しくもあり神々しくもあった。

「やっぱり~岡村さん、電話に出ないの?早く出ないと。」

妖しく笑う理恵。


その時、健一の中で何かが弾けた!
理性と言うたがが…

理恵に飛びつき、抱きしめそのままベッドに倒れ込む2人。夢中で口付けを交わす2人…


もはや2匹の獣と化した2人は、飽きる事無くお互いを求め合う。


健一が気が付いたのは朝の6時であった。
横で寝息を立てている理恵を見て、昨夜の出来事が幻で無いことを知る。


『そっか、とうとうバレちゃったんだ。いつかは分かる事だと思ったけど…やっぱり、理恵ちゃんを思う気持ちが勝ったって事だよな。』


健一に取って結婚後、初めての女性である。しかし健一は浮気と思っていない。とうとう本気になった。と言う所である。やがて、理恵も目覚める。


恥ずかしそうに、シーツを口元まであげ、


「おはよう。健ちゃん!」


それだけを、蚊の鳴くような声で言う。