異世界転入生

「よくご存じですね
確かに、元の世界では5000ルーツの価値がある物ですが
一つ買って来て、それを複製魔法で量産しておりますので
500ルーツでも商売は成り立つのですよ」
「…なるほど…そうなんですね…」

理由を聞くと、納得出来てしまった
5000ルーツが原価なのだ
そして、それを魔法によって数を増やしていく
すると、必然的に1つの価格は下がるというわけだ

「なんだか…釈然としないなぁ…」

納得はしたが、それでも、何かが引っかかる

「ねぇ、皆おこづかいってどれくらいなの?」
「私のところは、2000ルーツかなぁ」
「私のところも同じですよ、多分皆大差ないはずですよ」
「…(つまり、皆一ヶ月でゲームソフト4つ買えるほどの…)
何だろう…何か、負けた気分」
「「??」」

ユウの呟きに2人は首を傾げる
それは、ユウの世界の事をほとんど知らないから仕方のない事だろう
ともかく、ユウは前の世界から買っているゲームの新作を1つ買って店を出た

「複製魔法って…何かズルいな…」
「そうなのですか?」
「だって、無から有を生み出してるじゃんか…」
「無では無いですよ、魔力消費はかなり多い魔法だったはずですし…」
「う…まぁ…そうか…魔力なぁ…はぁ…」

ユウはため息をついた
魔力一つで解決してしまうこの世界
材料が無くても魔力がその代わりをしてくれる

(まぁ、複製魔法には、元になる物が無いとダメみたいだけどね…)

イメージが全てを左右する魔法
何も無いところから物を出すのは、それはそれは大変な事だ
この間の文房具を出す所を見ているから分かる
1つ1つをきちんとイメージしないと出来上がらない
それは、ゲームなどの複製も同じだろう

(コピー&ペースト…ってところかな…ホント羨ましいなぁ…)

3人で雑貨屋やお土産物、飲食店などなど色々と回っていく
何でもない物でも、普通に商品として置かれている
それはそれで、商品としての需要があるのだろう

「ユウは次何処行きたい?」
「ん~…あ、本屋に行きたい!」

ユウは視界の隅に映った本屋を指さす
本屋という響きから、ライナは少し顔をしかめたが…
指さした本屋を見て、表情はクルリと変わった

「あの本屋さんはね!絵本とかマンガとか色々な本が凄く多いんだよ!」
「へぇ~、そうなんだ!楽しみだなぁ~
(なるほど、ライナは勉強系の本が多い所は嫌なんだな…)」
「色々な世界の本も売ってますですから
色々な物を読めると評判の本屋さんですよ♪」

満場一致で本屋に向かう
確かに人気というだけの事ああって、人が多く出入りしている