異世界転入生

「窓に雨粒が当たった…シールドがあるなら、変だよね?
つまり…えっと…防ぐにはある一定の条件があるとか?」

ユウは合っているのか、少し不安そうな顔でディールを見る
ディールはニコリと笑って頷く

「その通りだよ
シールドっていうのはね、常時張られているのものなんだ
でも、普段のそよ風や雨は防ぐ必要が無いものなんだ
だから、雨の勢いや風の強さを条件つけてシールド張っているんだ」
「なるほど…(今日、僕がドアの音を消したのと、同じようなものなんだ)」
「大雨の雲を見つけたら急いで帰ってきなさい
大雨の中帰ることは、学校を卒業した大人でも難しい事なんだ」
「え、お父さんも?」
「もちろんさ
帰ってくるために、シールドを張るが…条件を超えているから全て防がれる
雨は上から押してくるし、風は追い風なら良いが向かい風なら風を押しながら進まないといけないからね
とても大変なんだよ」

ディールは苦笑いをしながら言った
大雨の中帰るのは本当に大変そうで…まだ何も慣れていないユウは、大雨の雲を見つけたら、すぐ帰ろうと決意した

「あ、そうだ…もう一つ聞きたいことあるんだけど」
「ん?何だい??」

大雨の事ですっかり忘れていたユウ
大雨のインパクトが強すぎたので、仕方ないと言うことにしておこう

「あのね、僕…ココでは何歳になるの??」
「ん?あぁ、そういうことか」
「僕、14歳だと思ってたけど…や、実際向こうでは14歳なんだけど…
こっちは1年6000日だし、しかも1日が70時間って事を考えると、こっちの16ヶ月半くらいにしかならないから、全然足りない…」

1歳にも満たない…とユウはどんよりオーラを纏う

「ユウは、ココでは6歳になるんだ」
「え?」
「14年分は向こうの流れで成長しているんだよ
ただ、やっぱり差はあってね…6歳なんだ
と言っても、向こうの6歳とは全然違うからね
「うん、つまりココの6歳は、だいたい向こうの14歳くらいって事だね
身長だって、ほぼ一緒だし…向こうの6歳と一緒とは思えないよ」
「確かに、見た目的にはそうだね
ただ、違うのは中身になるかな」
「…?中身…が違うってどういう事??」

ユウはよく分からん…という顔で首を傾げている