異世界転入生

「ほら、行くよ」
「あ、うん!」

リュウの差し出した手を握ると、扉の中に入っていく

トンッ

少しの浮遊感を感じてから、地面に足がつく

「リュウ、ココは…?」
「見ての通り、何も無い空間だ」

リュウの言うとおり、何もない空間だ
そう、さっき通ったはずの扉も何も…
リュウはユウの手を離すと、手をかざし杖を出す
ユウは、ただそれを見ていた

「何ボーッとしてんの?ユウも杖出しなよ」
「ぇ…あ、そうだよね」

魔法の授業なので杖が必要な事を思い出し、ユウはローブの内ポケットから杖を取り出す

「さ、まずは2人からね!」
「○$■&▲▽!?!?!」

ボンッという音と煙と共にリーナが現れ、油断していたユウは言葉にならない悲鳴をあげた

「あら、驚かせちゃったわね
ごめんね~
さて、チャッチャと本題入るわよ
ココに2つの扉があるわ
この扉を開けるとCの空間に行けるの
それがココDの課題よ!もちろん手じゃ開けられないから、魔法を使うのよ」

ユウを見て言うリーナ
それに苦笑いしかできないユウ
リーナはそれだけ言うと、出てきた時と同じようにボンッと消えた

「ふ~ん、開け」

リュウがそう言って杖を扉に向けると、ギギギギと音をたてながら、扉が開いた

「わぁぁ!すごい!」

ユウが拍手をしていると、リュウは何も言わずユウの方を見る

「拍手してる場合じゃないでしょ、ユウも開けなよ」

リュウにそう言われた瞬間、カチンと固まるユウ

「か、簡単に言うけど、そんなすぐに出来ないよ」
「出来ないと思ったら、魔法は使えないよ
魔法はイメージだからね…じゃ、俺は先に行くから」

リュウはそう言って、扉に入って行ってしまった
リュウが入ると、扉はスッと消えた

「…」

扉が1つしかない空間に1人ポツンと立つユウ
この無駄に広い空間に1人というのは、とても寂しい

「うぅ…そうだよね…イメージだよね
出来ないと思ったら、出来るものも出来なくなる!
よし!僕なら出来る!」

意気込んで、杖を扉に向ける

「(扉を開けるイメージで良いんだよね?)開け!」

すると杖の先が光り、その光が扉の方に飛んで当たると、ギギギギと重々しい音を出しながら扉が開く