「お前、言っただろ」

「え?」

何を?



「立ち止まって、休んだっていいって」


「あ……うん」

言った。

疲れたら、休憩したっていいんじゃない?

って、確かに言った。



「だから、しばらく休み」

「でもっ」

“そんな簡単に”って言おうとしたら、口を挟まれた。



「今、するべきことが何なのか。俺が一番分かってるから」




何も言えなくなったのは、あなたのその言葉に、すごく重みを感じたから。

あなたは、簡単に休むなんて考えていないって、そんなふうに思えたから。


きっと、悩んで悩んで、そして出した答えなんだよね。

そう思うんだ。




「ほら、戻るぞ」

「あっ、うん」



あなたが、陸上部へ戻るその日まで、少しだけ傍であなたを見ていてもいいですか?


一番傍で

なんて、贅沢なことは言わないから。



あなたを、もっと知りたいのです。