メロンパンにさようなら





「もし、跳びたくても跳べなくなったら、お前なら、どうする」




それは、今のあなたですか?

“頑張っても頑張っても、無理なんだ”

そう言ってる気がした。



なんて言っていいのか分からない。

この人の抱えている悩みは、きっと、私が考えているよりも、ずっと大きいから。

だから、何を言っても、ただの慰めにしかならない。

ううん
慰めにもならない。



“頑張って”
って言葉を使えない。

使うのは間違いなんじゃないかって思うから。




「なんてな。さっ、戻るかな」


強がるように、無理にそんなことを言って、背を向けて歩き出した彼を、



「待って!」

思わず呼び止めた。