メロンパンにさようなら


「あの、戻らなくてもいいんですか?」


会話に困り、出た言葉は、こんな言葉。

こうやって、見に来たばっかりに、練習の邪魔をしていたら悪いと思ったから。

いや、実際、こうやって練習中抜け出させてる地点で、既に邪魔になってんだけど。




「あぁ…… なぁ、メロン」

「だから」

“メロンじゃなくて”って言おうとしたのに言えなくなったのは、私から視線を外して、遠くを眺めている彼の顔が、今にも泣いてしまうんじゃないかってくらい、余りにも寂しそうに感じたから。