放課後、愛に捕まり、昼休みずっと帰ってこなかった理由をしつこく聞かれ、最悪な奴に出会った『メロンパン事件』を語ることになた。
「あ〜、お腹すいた」
昼ご飯、何も食べていない私のお腹は、限界を迎えていて、愛に問い詰められながらもお腹の虫がグーグー鳴っているのに。
なのに、愛は、
「その人って、どんな人?イケメン?」
なんて、呑気に聞いてきたりするんだ。
「う〜ん、不細工ではないかな?」
きっと、愛の言うイケメンって部類に入るんだろうけど、あんな最悪な奴、イケメンなんて言えないんだから。
素直にうんと答えないのは、小さな反抗。
「同じ学年?」
「いや、一つ上の2年生」
この学校は、靴のラインの色が学年によって違うから、見分けがつく。


