5限目の始まりを知らせるチャイムと同時に教室に戻ると、直ぐに先生がやって来たこともあって、心配してくれていた愛と話すことはなかった。 その方がよかったのかもしれない。 きっと、“どうだった?”って聞かれても、“大丈夫だったよ”って答えてしまうから。 そう言って、無理に笑顔を作ってしまうから。 そんな私を、愛は、全部見抜いてしまうから。 そうして、また、愛に心配かけてしまうから。