「俺は、メロンパンが好きなんだよ」

「私だって、好きなんです!」

「メロンパン?」

「はい」


それ以外に何を好きだと?
この流れで言って、メロンパン以外ないでしょ?

「意外〜」

「何が?」

「どさくさに紛れて、告白されたのかと思った」


いやいや、あり得ないでしょ。
初対面だし。

第一、こんな我が儘俺様な人、好きになんてならないし。


「あり得ませんし」


「そっ」


「そう。だから、そのメロンパン」
「メロンパンって、美味いよな」


そのメロンパン返して。と言おうとしているのに、無視して、彼はメロンパンについて話し始めた。


「この、外側のビスケット生地っていうの?外がサクッとしているのに、中が柔らかいのがいいんだよな。たまに、外がベターってなってんのってあるじゃん。あれ、俺、許せないんだよね〜」

「あ〜、分かります。それ」