「けど、……怖い」
「うん?」
「跳んでいいって言われたのに、跳ぶのが怖くてたまんねぇ。
痛いからとか、そんなんじゃなくてさ。跳べなかったら…って思うと、ハイジャンから逃げたくなる」
それは……
彼女、小室先輩に格好悪い姿を見せたくないからですか?
ただ、他の人に追い付かれるのが怖いからですか?
今でも、“一番”であることのプレッシャーがあるからですか?
彼が求めている言葉は何?
優しく、“そんなことないよ”って励ますこと?
それとも、厳しく“そんなこと言わずに跳んでよ”と叱咤すること?
かける言葉が見つからなくて。
だけど、何か伝えたくて色んな言葉を探してみても、これといったものが浮かんでこない。


