淡々と語られた部長の話に何を言っていいか分からなくて、ただ、遠くを眺めている部長を見ていた。 “冗談だ”なんて言うような雰囲気なんて微塵もなくて、この話が全て真実なんだって理解するのに充分だった。 「だから、あんな噂が流れたんじゃねぇのかな」 部長が言ってる“噂”が、以前、青野ミツルが言った噂のことだって、すぐ分かった。 今、部長が言う直前に、青野ミツルの言葉を思い出していたところだったから。 “アイツが跳ばなくなったのって、別れた彼女が原因だった” って。