メロンパンにさようなら


「青野って人に対して嫉妬してんでしょ、高見先輩は」

それくらい分かるでしょ


と、深い溜め息を吐きながら言った愛に、


「なんで?」

なんで嫉妬するわけ?

そもそも、彼は、私と青野ミツルの会話を全部知っているわけだし。
嫉妬するようなことなんて何もないはず。



「ないない!そんなことあるわけないし!」


強く否定したけれど、愛は、意味深にニヤリと笑い、


「さぁ、それはどうだか。さっさとキスしちゃえばよかったのに」

と、さらりと“キスしちゃえ”発言をした。


「キッ、キス!?」

その言葉に激しく動揺し、思わず大きな声が出た。




「何、メロン。そんなに俺とキスしたかったわけ?」
直ぐ後ろで突然声が聞こえ、ビクッと肩を震わせて振り返ると、ニヤリと笑う高見翔がいた。