家の向かいのバイパスは、既に一面青かった。

バイパスだけではない。

達哉がカーテンを開けたときには、眼下のあらゆる屋根、道路、車のボンネットが青一色に染まっていた。

「ま、まじかよ…?」

達哉は似たような現象を知っている。それは雪だ。
だが生憎、達哉の知っている雪は白い。