高城…高城…

ぶつぶつ呟きながら帰宅する。




「ただいま」

「あらおかえり」


部屋にいるのは親戚のおばさん。

私は必死で作り笑顔でおばさんと話す。


「今日転校生が来ました」

「へー」


興味なさそう…

私は嫌われたくなくてそれ以上は話さず二階に上がる。

私がいい子の振りをする理由。それはただ絶望されたくない、いらない子だと思われたくない、ただそれだけ。


「ふぅ……」


重いため息をつきベッドに倒れ込む。


あの子と仲良くなれるかな?




「媛ちゃん…ねぇ…」


優しい笑顔を思い出し少し微笑む


「よし…頑張ろう」


優と…媛ちゃんと仲良くなるために





―――――――――――

媛は自室で声を殺して笑っていた。


「ふふ…ふふふ…やっと会えたね…赤神恋…ずっと…ずっと探したんだよ」


少女は恋の写真を破り捨てる。


「貴女も…こうよ…」


そう言い写真をごみ箱に乱暴に捨てる。


「あんたなんか消えちゃえ」


少女の口は妖しく孤を描く