「とりあえず今日は帰れ」


先生が白衣を脱ぎながらめんどくさそうに言う


「う……」


起き上がると信じられない痛み


腕は入っていたが凄まじく痛い


「恋。送る」


私は輝に無理矢理おぶられる


「わわっ輝いいよ!!!」


「お前が良くても俺が嫌だ」


「うぅ……」


「じゃ頼んだぞ中塚弟」


――――――――――――

無言で夜道を歩く


私の中ではもう家の中まで伝わっているのか…と不安でいっぱい


あ、そうだ


「今日翠ちゃん熱出したよ」


「とうとう出したかあいつ…明日になればケロリとしてるさ」



明日…かぁ……


明日から私どうなるのだろう


夢なら早く覚めて欲しい


また溢れる涙をグッと堪える


「ほら着いたぞ」


「ごめんね…ありがとう……」


無理に笑顔を作り輝に手を振る


私がドアを閉めた後輝は呟いた



「信じてるからな」