すると亜季さんが口を開いた。
「小原様はここに数日泊まることになられます」
「え!?」
そういうと亜季さんはしれっと紅茶をついでくれた。
「あの、あたしお見合いの話なんて聞いてへんくて……その急にそんな決めれませんし」
「へー……君。お嬢様て感じじゃないよね」
「!?……別に……好きでやってるわけじゃ……」
「まぁ今日からいろいろ見させてもらうから、よろしく」
そう言うとリビングから出て行ってしまった。
「いろいろって……一体なんやの!?」
「まぁ落ち着いて明日からは業務はそんなにないし、大丈夫やって!な?」剣さんがあたしの頭を軽く撫でてくれた。
「はい……けど、いろいろ見させてもらうってどういう……?」
視線を感じる先に真緒さんがいてあたしは見つめてしまう。
「……なんや?」
「……別に」
何故か仏頂面の真緒さんにあたしは溜め息をついた。
翌朝、キッチンのテーブルには小原さんがすでにいた。
「おはよう。もう10時だけど目覚めは遅いんだね」
「!?……あ……すみません……」
真緒さんは椅子を引いてくれながらもニヤリとしている。
「……」
なんやの、いつも起こしてくれるんに……今日に限って
「あの、小原さんは」
「将でいいよ」
「え」
「だから名前でいいよ。小原さんとか堅苦しいし」