双子はアイドルミュージシャン


「えー、問診表を見ると

『食欲も無く、寝込んでいて口数が、最近減っている』

と」


「私が見つけた時には、手にナイフを握って

『死なせて』

って言っていたんです」


先生は、そこで、打ち込むのを止めて


「自殺未遂だったんですね?

どうも、うつ気味だったようですね。

それでは心療内科の先生が専門ですから

カルテをそちらに送ります。

樹里亜さんと一緒に行って下さい。

すぐ案内してもらいますから、

ちょっと、この部屋の前で待っていて下さい」


そう言われて部屋を出ると、しばらくして樹里亜ちゃんが

イッパイ点滴を付けてベッドに乗せられて来たの。


その姿にはあの、私が憧れていた美しい、

これまでのまぶしいほどの若さの光は、無くなっていたの。