実は、雄太は尋常でないくらい寝坊をするのと同時に、尋常ないくらい頭がいいのだ。
全国模試でも全教科すべてトップ3に入るという天才ぶりだ。
校内での成績は、もちろんぶっち切りでトップである。
そんなかんだで、雄太は光輝とは違って楽勝で進級出来ているわけだ。
ちなみに光輝の成績は下から数えた方が非常に早い。
「あっそうそう、俊二、今日3年に転校生が来るって噂知ってるか?」
「いや、そんなの聞いたことねーよ。つーか、どこの馬鹿がこの忙しくなる時期に転校してくるんだよ。それ、絶対に嘘だ嘘。」
「だよなー、俺も高校3年で転校なんて話し聞いたことないからなー。」
「当たり前だ。」
こんなことをいっておきながらも、
このとき、俺の心の片隅でほんの少しなにかを期待していたのかもしれない。
その転校生が本当きて俺の中の何かを変えてくれるのではないかと。
だが、そんなことを思ったのもほんの一瞬の時間だけで俺の中でその小さな光りは消えていった。
