まだ、女の子が男の子よりも背が高かったころ。
大体・・・小学4年生のころかな?

私には、大好きな動物がいた!



「キャアーー!!すっごぉーーい!!!」

青く深い水槽から勢いよくジャンプしたイルカは、そのままゆっくりと弧を描き、また青い水の中へ吸い込まれていった。

ここは隣町にある小さな小さな水族館。
他の水族館に行っても、どこのどんなイルカショーより、この平野内水族館のイルカショーが大好きだった。

なんであんなに高く飛び跳ねることができるのだろう。
どうして、あんなにも早く泳げるのだろうか。

私、新橋 優(シンバシ ユウ)にはたくさん疑問があった。


「すっげぇな、やっぱり。」

私の左隣にいるのが西口 知樹(ニシグチ トモキ)

「それに、かわいいねぇー!」

私の右側でそう笑みをこぼすのは明石 理恵。(アカイシ リエ)

二人とも、私の大親友だった。

よく、この水族館には遊びに来る。
そしてこの三人はいわゆる幼馴染というやつで、
かけがえのない仲間で、
家族のようで。

理恵のお父さんがこの水族館で働いていて、時々遊びに来たら、笑顔で私達を水族館の中に入れてくれた。

関係者の人がいつも使う通路を抜けるから、自分達が特別なような気がして、なんだかうれしくなっていたのを覚えている。


毎回毎回飽きずにイルカのショーを見続けて、私は三人との時間を過ごしていた。


ずーっと、この三人とイルカショーを見ることができたらないいなってずっと思ってた。



だって、私は二人が大好きだったから。