ふたりで境内に腰かける。 椎名君は、袋からペットボトルを出して飲み始めた。 「ちょっと喉乾いてさ…」 「うん」 蝉の鳴き声が頭に響く。 夜になるとは言えども、真夏はやっぱり暑い。 Tシャツの袖で汗をぬぐう。 「あのさあ」 椎名君が口を開いた。 「何?」