走り出した足が止まらない。
まっすぐ神社へと向かっていた。


「椎名君っ…」


もう、ほとんど体力は残っていなかった。
はあはあと息を切らしながら、神社へと走る。
サンダルで全力疾走するのはきつい。
じんじんと痛んできた。


やっと神社に着いて、境内のあたりを見渡してみる。
椎名君らしき人の影は見当たらない。


そりゃそうだ。
約束の時間はとっくに過ぎている。
椎名君がいなくなったって、当然だ。


「鮫島?」


突然、後ろで声がした。