「朝倉君、ありがとう」 今ドアの向こうで、きみがどうしているかわからないけど、私はあなたから勇気をもらったから。 「私、行ってくるよ」 おじゃましました、いつものように一礼して家を飛び出した。 どうか、まだ間に合いますように。 あなたにちゃんと伝わりますように。 遠くで、花火の鳴る音が聞こえた。