気付くと朝倉君の腕に包まれていた。 「ちょっ…」 「黙って聞いて」 耳元で声がする。知らなかった、朝倉君ってこんなに声低いんだ。 「俺、鮫島のこと好きだよ。超好き。やっべえ好き」 「だからっ…」 「いいから。全部話したら離す」 朝倉君は私に話させようとしない。 もういい、終わるまで待とう。 そう思うと自然と力が抜けた。