その日、彼女が来たのはとても暑い昼過ぎだった。 長い綺麗な髪をひとつに束ねたとき、胸がどきんと鳴ったのがわかった。 やべえ、俺単純。 「今日は、遅く来ちゃったから、その分長引かせる?」 「あ、うん。どっちでもいいけど」 心臓がばくばくうるさい。俺、死にそうかも。