目が覚めると俺の部屋に朝日が差し込んでいた。
もう11時になる。


「やべ、寝過ぎた」


よいしょと起き上がる。
洗面所まで歩き、洗顔と歯磨きをした。
すると、洗濯物を抱えた姉が来た。


「あら、奈穂起きるの遅いわね」
「うん、ちょっと寝過ぎた」
「随分早く帰ってきたけど、宵宮は行ったの?」


俺の歯磨きをする手が止まる。


ああ、そうだったな。
俺、みんなに言ってないや。


「いや、ちょっといろいろあって」


そう、とそれだけ言って姉は、洗濯機に洗濯物をぶち込み出て行った。