「へえー、そうなんだ。で、誰?」 「…同じクラスの椎名君です」 ついに彼女の顔は真っ赤だ。こりゃ初彼だな、きっと。 「椎名って、てっきり飯田と付き合ってると思ってた」 あえての嫌味だ。 彼女の悲しそうな顔を見たかった。 「私もそう思ってました」 そう言った彼女は、とても凛としていた。 おいおい、それが彼女の反応かよ。 俺の考えとは反対の反応をする彼女に、すこし興味が湧いた。 ほんの、すこしだけ。