「鮫島って、結構腹黒いよな」 「えっ、そそそんなこと…」 「噛んでる噛んでる。同様しすぎ」 ははっと椎名君が笑った。 腹黒いのくらい、知ってるよ。 「でも、そこが好きー」 そう言いながら、私に抱きついた。 なんで、男の子はこんな素直に好きって言えるんだろう。 不思議な動物だ。よくわからないや。 「なあ、鮫島」 「ん?」 耳元でささやかれる。 何これ、前もあったぞ。 「さっき、泣いてた?」