「次の数学のテストで一番点数悪かった奴、罰ゲームな」 友達の秀吾がそう言ったのが始まりだった。罰ゲームという言葉に釣られた俺たちは、すぐにその話に乗った。 今思えば、あいつは数学が俺たちの中で一番得意だった。 そのことに早く気付いていれば、あんなことにはならなかったのに。 汗が首を伝う7月の事だった。