その時、後ろから声がした。


「…どけ。じゃまだ。」




後ろを向かなくても、誰かわかる。


…………涼汰、だ。




私は涼汰の声に肩を震わせた。



…………怒っている。





涼汰は何故か、怒っていたのだ。