「ねぇ、愛。」 爽君が口を開く。 「好きな人、いる?」 二日連続の質問だった。 「えっ…えっと……。」 「いるんだ。」 爽君は、あたふたしている私を見て、クスクスと笑った。 「それってさ……、涼汰?」 涼汰。 彼の名前を聞いただけで、ビクッと反応し、肩が上がった。