軽い脳震盪、だった。


小さな切り傷に
大袈裟な程包帯を巻かれた。



母ちゃんに罵声を浴びせられた親父は
慌てて俺を担ぎ上げ

近くの病院に連れていったらしい。



俺の家は、ボクシング界では有名な親父が経営している


滝ボクシング協会


と言う修練場だった。

だから日々
強面の人や重機なんかを軽々持ち上げそうな筋肉質の奴等が出入りする。



俺の噂も
だから立つんだろうなと
目星は付いているけれど

自分から話さない俺が悪いと

自業自得の4文字で片付けて


悪い噂も知らないふりをした。