そんなある日の夜。



「おいとーま。

付き合え、おらこれつけろ。」


「……またかよ。」


「文句言わずにやるんだよっ」


「へいへい。」



渡されたグローブを手にはめて
親父から繰り広げられるパンチを
避けていく。



「やべっ………」


いつもならやらない凡ミスだった。



パァンッ、という音と共に
俺は意識を手放した。