優しい愛




「あの、いいっすか。」



ガタッ、と音をたてて
滝くんが席から立ち上がる。



「なんか俺

あんま話さないし
だからこんな噂されるの

自業自得で仕方ないとか

思ってたんすけど……」



ちらっと私を見た滝くんは

深呼吸をした。



「山本のお陰で目ぇ覚めた。

あの…実は…」


皆が身構える雰囲気が
伝わってきた。