連れて行きたかった場所―…


それは

山本が俺の中の孤独に気付くまで
独りで来ていた場所だった。



ここに来ると
嫌なことが全て浄化される気がした。

薄明かりでも輝くする町。
真っ暗になれば、もっと輝く町。


うわぁ、と山本が呟く。


「きれー…」



暫くの間、会話無く
手を繋いだまま立っていた。


周りには誰もいない

二人だけの世界みたいだった。



「…帰ろっか。」



名残惜しいけれど
余り遅くなりすぎたらいけない。



送るよ、と

また山本の手を引いて歩き始める。