優しい愛




思わず吹いてしまった。


「…っくくく…」


「あ、ご、ごめんね!?

だめだよねっ……」


ごめんねと必死に言い続ける山本に

違うんだ、と言いながらも
笑いをおさめるのには

暫く時間がいた。



笑い終えて山本に言う。




「いいよ。全然。

時間はあるし。」



ちょっと赤くなっている山本は

ありがとう…と小さな声で言うと
店員さんを呼んで


紅茶のシフォンケーキを頼んだ。




さっき俺が食べている途中に
隣のテーブルに運ばれてきた
紅茶のシフォンケーキを


山本が羨ましそうに見ていたから


おかしかったんだ。