連れていかれた丘から見えたのは まだ薄明かるいものの きらきらした町だった。 「きれー…」 「だろ?」 「うん。」 そこでしばらくふたりたっていた。 だんだん暗くなっていく世界の中で 変わらない形のきらきらした光が 私たちを包むように思えた。 「…帰ろっか。」 「あ、うん。」 「送るよ。行こう。」 滝くんの、優しい笑顔まで私を包んだ。