「うそ!恥ずかしい~…」
びくってしてたんだ、私。
動揺しまくりじゃんか。
「あんさ」
「え?」
「まだ時間ある?」
「うん、まだあるよ。」
そっか、と大きく息をした滝くんは
私の手をまた握る。
「…たきくん。」
「いい?」
繋いだ手を、すこし強く握りしめて
滝くんは私に聞いた。
「…うん。」
嫌なわけ、ないよ。
でも、期待してしまう。
「そこの公園、丘の上から
きれいに見えるものがある。」
独り言みたいに低い声で呟くから
さっきより近くなって触れている手が
あつくなってしまった。
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