「ねえ。」


「…えっ?」



木から声が聞こえる…
え、まさか、私、聞こえるように…


「ねえ。聞こえる?」

「ふえ?!い、いや、

聞こえるっていうかなんていうか

木ってしゃべるんですか?!」



「は?

いや、俺一応人間だけど。」



「あ、ですよね。
いや、じゃなくて、誰ですか??」



「滝。


滝翔聖」



タキトウマ、と答えたその声は
透き通っていて、柔らかかった。