優しい愛



「行くぞ。」

「うん。」



そのあとは手を繋いだまま二人、
映画館まで何も話さずに歩いた。

だけど心地よい沈黙だった。
安心できる、優しい空間だった。




「ここだな。よし、じゃまず飯だ。」

「あ、そうだった。どこに行くの?」

「あそこ。」



滝くんが指差したお店は

《beaming》

と書かれた、優しい雰囲気のお店だった。


「喜びにあふれた、って意味なんだって。
まじでうまいから、食ってみて。」

「うん!楽しみだなっ。」


「おう!」